日 時:2025年8月7日(木)13:30~15:30
場 所:もんぜんぷら座304会議室
参加者:14人(NPO・市民活動団体、行政職員、食農や食育に取り組む・関心ある個人など等)
内 容:前半:「コメから地域の食を考える」講義
後半:4グループに分かれワークショップ 講 師:信州ひらがな料理普及隊事務局 吉田百助さん

【講義】
初めに、信州ひらがな料理普及隊事務局 吉田百助さんから、「コメから地域の食を考える」と題し、令和のコメ騒動の経過、原因、今後についてと、食べるもののことして、自給率から見た食料不安のお話がありました。
米の生産量・需要量と在庫の推移のデータを提示しながら、生産量は年によって上下するが、需要量が年々下がっているため、備蓄量は年20トンほどを目安(5年間で100トンにする)にしていることを説明。現在の米不足は2023年の記録的な高温と小雨によって低品質の米が増加から始まってっていた、供給量の不足が原因と分析。また、1970年代から90年代にかけて、食生活が大きく変化し飽食の時代となり、輸入品、外食産業が発展、加工品の増加により、便利、安さが優先しだす。その一方、自給率は年々低下し、現在はカロリーベースで38%である。
「食べ物は買うもの」の消費者、そして生産者や事業者は、経済成長につながる「売るものを作る」という関係性が顕著となる。自給率が低下している日本。輸入に頼っている今、食料不足が懸念される。近々では、ブラジルの天候不順でオレンジの生産量が減り、一時スーパーからオレンジジュースが品薄になったこともある。
今後、消費者が選ばなければならないのは、高いか安いかではなく、どのような社会に暮らしたいかでは?コメを輸入しても赤とんぼはついてこない。食を考えることが、ふるさとの風景と暮らしを守ることにもつながると結びます。
参加者は、話しを聞く中で、吉田さんへの質問を付箋に書きだしてもらいました。

【質問への返答】
その後、休憩を挟み、吉田さんに質問に答えてもらいました。
Q 「これから私たちはどうしていったらいいのですか?
暮らしている地域で食がまかなえるには?」
A 「自分たちでは無理そうなら、仲間とみんなではじめてみる。
やっている人を見にいく。ちょっと手をだしてみる。手伝ってみる。
Q 「高度経済成長期の農業政策と都市への人口流出について関連がありますよね?」
A 「労働を都市へ集めて高度成長へ。モノをつくって売る時代。働いて買う。
冬の出稼ぎで金を稼ぎ、物が買えることで豊かになるという社会が人の考えを変えていった」
【グループワーク】
4グループに分かれ、感想や自分たちが今後どうしていたらよいかを話し合いました。




【発表】
◎自給率の視点から
・自給率をあげる → 遊休農地の活用
◎食育の視点から
・伝統料理など知らないので、伝えることが必要。
→学校:カリキュラム必須にする
地域の人が講師
家庭:自炊 (生きていけるように
地域:地域内で料理教室
・大人への食育
→ サラリーマンの余暇に土作業(作って楽しむ)
農への関心を深める
◎解決策・提案
・食べるものを作る人を公務員にしよう!
・食生活を本物(出汁を取るなど)に戻し、自分で作る(みそ・梅干しなど)
・自分で情報収集し考える思考をもつ
→ 自分はどうするかを考えられるようになる
◎買う側の現状視点から
・価格高騰 → 生産物の規格外の購入
◎環境の視点から
・晩秋の未収穫の柿
→ 地元の高校生が収穫手伝い事例あり
◎農家の現状視点から
高齢化
→ 自分で食べるものは自分で作るの視点へ!
定年退職農家を増やす。
サポートする体制づくり
後継者を集める
◎コミュニティの視点から
・地域の祭りが大切
→ 住民同士が知る機会創出
・自宅の縁側を貸す
→ 住民がつながるきっかけに。



【参加者の感想】
講座を通じて参加者からは、次の感想が寄せられました。
・子どもたちに本物を教えることの大切さ、教える人も必要か?
・地域のコミュニティ、地区のお祭りを見直したいと思った。
・農業の大規模化をすすめているが、儲からない。家族農業を政策に位置付けて欲しい。
・食にまつわる歴史の流れを知ることができてよかった。
・資本主義の経済システムの中でさまざまな問題がおきていることに心を痛める。
・経済至上主義をつきすすむ中で、女性の社会進出も進んできた??え?経済のため??
ハッとしました!!ヤバイ!躍らされてるかも~
・市民水田、いいアイディアですね。中山間地域で農と食がつながる地域コミュニティが
広がりそう。


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