ながの地域まるごとキャンパス通信「空に近いフィールド天空の里いもい農場」

 天空の里いもい農場は、芋井広瀬地区で子どもからシニア世代の参加者と一緒に、畑で野菜を育て、収穫して食べるという「食農体験の場」を提供する団体です。芋生広瀬地区は高齢化、遊休農地の増加、地域の担い手不足など課題山積。そこで、課題解決のために、と同団体が2014年に発足、さまざまな食農体験の場を提供し、ここまで2800人以上の参加者が同地区を訪れ、地域との交流を楽しんできました。

そんな中、高校生・大学生が地域課題を考えるきっかけにしてほしい、若い力が加わわることで地域に活力を届ける目的で、今年度地域まるごとキャンパスにプログラム提案をしてくれました。

 7月17日、大学生4人と高校生3人が集まり、同団体の畑で大切に育ててきた夏野菜の収穫と、秋野菜の植え付けの準備をしました。普段はなかなか土に触れることもなく、慣れない畑作業に、「楽しい」と声を揃える学生たち。作業をするうちに、学生同士話も弾んで仲良くなっていく様子が見られました。

 

また、この日は若者への平和のメッセージと題し、同地区在住の和田蔵次さんから、ウクライナとロシアの戦争を通じて平和への思いを聞きました。和田さんが過去ウクライナを訪れた際の思い出や自身の活動などを交え話す姿に、学生たちも真剣な表情で聞いていました。

また、今回のこのプログラムの目的の一つに「公共交通を使うこと」があります。活動場所までバスを使い、公共交通を使って残すということを、活動を通じて伝えていく狙いです。実際にバスに乗った感想について尋ねられると、「誰も乗っていなくて驚いた。わたしたちが途中の停留所で降りようとしたら運転手さんに、今日は何かイベントでもあるのかと不思議そうに聞かれた」と学生は戸惑いつつも、「バスに乗るだけでも地域貢献になるなんて」と嬉しそうな様子でした。

公共交通については、中山間地だけの問題でなく、その利用率の低さから市街地でも存続の危機となっています。改めて公共交通は「使って残さないと」という意識を持つきっかけになったようです。

この日参加した高校生は「市内にこんな素敵なところがあるなんて知らなかった。とても楽しい1日でした」と話し、次に予定されている早朝からの活動にも「楽しみです!」とやる気満々。大学生は、「なんか懐かしい気持ちになった。何より人が温かくて嬉しい」と話しました。

同団体事務局長の西沢和宏さんは、「芋井地区のことを知って、関心を持ってもらうきっかけになったらいい。今後も自分たちの活動に参画してくれたら」と期待の思いを口にしていました。学生たちがこれからどんな動きをしていくのか、楽しみですね。