SDGs集中講座報告 第二弾!!

8月11日に開催した、SDGs集中講座の二日目のご報告です。

すっかり遅くなりもう一カ月経ってしまいましたが・・・。

 

テーマ:環境 「いまさら聞けないゼロカーボン」

ゲスト:浜田崇さん(長野県環境保全研究所)

「いまさら聞けない、いまだからこそゼロカーボンです」という前置きから始まった浜田さんのお話。

温室効果ガスは生命を存続させるためには必要なものです。しかし、今、じわじわと増えて気温が上がっています。産業革命以来1.2℃地球の気温は上昇しています。年間の猛暑日や雨の量も増加、このままだと2100年には4℃上昇すると言われていて、長野の平均気温が今より4℃上がると今の九州くらいの気温になり、りんごも作れなくなります。今から温室効果ガスの排出を減らす対策=ゼロカーボンへの取り組みをしっかりやれば平均気温の上昇は1℃前後に抑えることができるそうです。

しかし、CO2は私たちの目には見えません。それを感じるために、浜田さんからクイズが出されました。1㎥の空気の中にCO2はどれくらいあるか?・・・答えは7㎤。1㎥のCO2の重さは?・・・メロン1個分。そして、家庭から1日に出されるCO2の量は?・・・1㎥の箱5個分で、中でも自動車と電気製品がだ出しているCO2がどちらも30%前後と多いとのこと。

CO2を見えるかする一つの方法として浜田さんから「カーボンフットプリント」という取り組みを聞きました。商品の原材料調達から廃棄リサイクルまでの間にどれくらいのCO2が排出されるのかを表すものです。まだまだ取り組みとしては広がっていないそうですが、ひとつの指標になりそうです。

後半は参加者で意見交換。CO2の見える化と一人一人ができることについて話し合いました。各グループからはおもしろい意見が出ました。「カーボンフットプリントが付いた商品だけの専門店」「CO2削減に寄与するとポイントなどが付与されるような仕組み」「CO2がたくさん出そうな日は注意報が出て、家族みんなで家で過ごす日にする」「自転車通勤や通学を奨励、自転車や徒歩でくらせるまちづくりをする」「小中学校で学ぶ機会を」などなど。浜田さんからは「みなさんのいろいろなアイディアがとても勉強になった」と言っていただきました。

後日、企画に関わったユースリーチメンバーは「長野県環境フェア」でこの時の結果を発表する機会をもらいました。多くの人に伝わっていたらうれしいですね。

 

 

テーマ:教育 「10代と考えるこれからの教育」

ゲスト:池田聡子さん(みんなの学校)

池田さんは、小中学校の先生として長年教育に携わってきました。公立の学校には良さもあるけれど、どうしても決まった枠に子どもたちははめなければならないことに辛さを感じていました。そして、ご自分のお子さんが、公立の学校に入ったらこの子の良さが失われてしまうのでは?と思い、自分で「みんなの学校」を立ち上げました。

みんなの学校がめざすのは「一人ひとりが、その子らしい個性を生かして、自分の力を生き生きと発揮していける姿」「相手のことも尊重し、ともに生かし合う喜び」です。

でも、始めてみたら、池田さんの想いに共感する保護者や学校に行くのが辛い子どもたちが集まってきました。求められている場所だったのです。そして協力してくれる創造性豊かな大人たちも集まってきました。

みんなの学校に来る子どもたちは、安心して自分らしい歩みで学べる換気用を得てどんどん力を発揮するようになります。そして、池田さんは「将来自分で自分の人生を創造していける人を育てる」ために5教科以外に頭、心、体にバランスよく働きかけることが大切と言います。そのため、ヤギと触れ合ったり、川で遊んだり、ものづくりや料理なども取り入れてきました。

後半のブレイクアウトセッションでは、特に若い世代から今の教育への疑問がたくさん出されました。「思春期の中学時代こそ一人ひとりの個性を認めて!!」「親の願いや理想と子どもの願いや気持ちにギャップがあるから辛くなる」など。公立学校だけでない学校を選択できる自由が必要で、選択の幅と自由が子どもの個性を生かすことにつながるのではな?また、長い期間学習しているにもかかわらず英語を話せるようになれない日本の教育のありかたに疑問を投げかけた高校生もいました。本当に身につく学びをどう作っていくのか?教育する側=大人の視点やあり方が問われています。

また、大人の立場からも「今の教育現場ではみんなと同じことをすべきとなりがちで、それがむずかしい子のために個別の対応をしたくてもできず歯がゆい」という声もあり、なかなか一筋縄ではいかないようです。

それに呼応するように「若い世代がもっと政治に参画して教育を変える立場にならないと」という頼もしい意見もありました。

 

講師のお話やグループセッションの内容は、尾形望さんによるグラフィックレコーディングで記録(まんまるに掲示してあります)。

いずれも短い時間でしたが、内容の濃いものになりました。

準備段階でテーマ選びから当日の流れ、講師との打ち合わせなど、すべてユースリーチのメンバーと考えてきました。大人は当たり前と思ってしまっていても実は当たり前ではないこともたくさんあり、若い人たちからの素朴な疑問や意見を投げかけられて「ハッ」とすることも多々ありました。今後も老いも若きもみんなでSDGsを学ぶ機会を作って行きたいと思います。